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2008年2月 4日

『戦略のパラドックス』マイケル・E・レイナー(著)

『戦略のパラドックス』マイケル・E・レイナー(著)
『戦略のパラドックス』マイケル・E・レイナー(著)


もし未来がわかっているとしたら。

何をしたら良いか、ある程度わかります。


しかし、未来を確実に知ることは、できないでしょう。

だとすると、未来には、多かれ少なかれ、不確実性があるということです。


戦略というものは、将来が良くなるように考えるものです。

そうであるにもかかわらず、未来が不確実であるとすると、うまく行くように考えた戦略によって、環境の変化などによって、うまく行かないこともあり得るということです。


戦略には、このような不確実性、パラドックスがあるわけです。


本書では、このような戦略のパラドックスについて、どのように考えて、対応すると良いか、考察しています。

簡単に言うと、未来が不確実にもかかわらず、そのリスクを抑えつつ、戦略を有効に働かせるにはどうしたら良いかということです。


事例が興味深いです。

ソニーのベータマックスの失敗や、マイクロソフトの戦略など。

この事例を読むだけでも、いろいろと考えさせられるところがあります。

現在の企業の動きなどを考える際に、参考になることが見つかるように思います。


このところ、戦略についての本を読む機会があります。

『その数学が戦略を決める』
『戦略不全の因果』


戦略の有効性はわかっていても、どの戦略を取れば良いのか。
未来が不確実であるにもかかわらず、戦略の妥当性をどう判断したら良いのか。


戦略論について考えると、こういうことがわかっていなかったように思います。

本書などをきっかけにして、この辺りのことが、頭では理解できたように感じました。


戦略の妥当性の判断ができたとしても、戦略をどう実現するかという課題は、依然としてあるわけですが、戦略の不確実性をどう考えて、リスクを抑えると良いのか。

こういったことがわかったことが、本書を読んでの、一番の収穫です。


ちなみに、本書の著者、マイケル・E・レイナー氏は、『イノベーションへの解』の共著者です。

クリステンセン氏のイノベーションの著書も合わせて読むと、理解が深まると思います。


『戦略のパラドックス』マイケル・E・レイナー(著)
『戦略のパラドックス』マイケル・E・レイナー(著)

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『明日は誰のものか イノベーションの最終解』

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